そのトマト、愛犬に与えて大丈夫?
トマトは愛犬に与えても大丈夫です
トマトは老化や、がん、生活習慣病などの予防、血圧の安定、皮膚の炎症を防止、赤血球を作る造血のビタミン、老化予防、抗炎症作用、免疫力アップ、皮膚や粘膜の健康を維持、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節、諸々の予防効果など
愛犬の健康改善に効果のある成分を含んでいます。
愛犬に良くないトマトの危険部位もあるので注意してください。
ただし、どんな食材でも言えますが、与えすぎに注意しましょう。
肥満や健康を害する場合もあります。
*日本食品標準成分表2020年版(八訂)を基準値として、
その食材の値が10%以上になる成分が
ペットに有効に作用すると思われ、取り上げて表記しています。
トマトに含まれる色素成分のリコピン(ポリフェノールの一種)は抗酸化作用が強く、
活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用があり、
人間にはガンや動脈硬化など生活習慣病の予防に役立ちます。
カリウムは、ナトリウムとともに、血圧を安定させるほか、
心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などの重要な働きをしています。
また、カリウムはナトリウムと連携し細胞を正常に導き、
尿中への排泄を促進するため、血圧を下げる効果があります。
カリウムが不足すると、歩行困難、食欲不振、元気消失などの症状につながります。
また、カリウムの量が過剰となってしまうと、高カリウム血症を引き起こします。
高カリウム血症は、四肢のしびれや筋力低下、嘔吐、脈拍の異常(不整脈・頻脈)が表れ、
最悪の場合は死に至るほど重篤化する危険性があります。
有機酸は、酸性を示す有機化合物の総称で、食品の中では酸味を示す原因物質の一つで、
酸化を防止したり抗菌性も期待される等、その機能的性質にも注目されています。
代表的なものでは、柑橘系果物や梅干し等に多く含まれる「クエン酸」や、
お酢の主成分である「酢酸」、リンゴやワインに酸味を与える「リンゴ酸」等があります。
βカロテンはビタミンAに変換されて作用することから、
生体内では皮膚や粘膜の健康を維持したり、視力機能をサポートしたり、
様々な細胞の増殖に寄与します。 また、βカロテンは
抗酸化作用および免疫賦活作用などがあることが報告されています。
ビタミンEは細胞膜にダメージを与える活性酸素を除去する抗酸化作用があるので、
皮膚疾患への抗炎症作用や、愛犬の生活習慣病や老化が原因の疾病予防と
治療に役立つと思われます。脂質と一緒に摂ることで吸収が促進されます。
葉酸はビタミンB群の水溶性のビタミンで、
ビタミンB 12とともに赤血球を作るので「造血のビタミン」ともいわれています。
さらに、DNAやRNAなどの核酸やタンパク質の合成を促進し、細胞の生産や再生を助けます。特に、お腹に胎児のいる妊娠中の母犬や、成長期の愛犬には必要な栄養素です。
ビオチンはビタミンB群に属する水溶性のビタミンで、
皮膚の炎症を防止する因子であることが発見されています。
水やアルコールに溶けやすく、熱、光、酸に対しては安定ですが、
アルカリに対しては不安定です。
ビタミンCには抗酸化作用があるため体内で増えた活性酸素を除去し、
老化や、がん、生活習慣病などの予防する諸々の予防効果や、
運動量が多い愛犬や加齢などによる酸化ストレスに有効であるとされています。
さらに、ビタミンCは皮膚や関節にも良いと言われています。
*トマトの主な成分、効能効果&日本食事摂取基準摂取の推奨量 /日
μg(マイクログラム)はmg(ミリグラム)の1000分の一 なのでμgの成分は省略しています。 |
トマトの主な成分、効能効果(100gあたり) | 摂取の推奨量/日 | |||||
成分名 | 値(トマト) | 値(ミニトマト) | 効能効果 | 成分名 | 成人男性~高齢 | 成人女性~高齢 |
エネルギー | 20 kcal | 30 kcal | 熱量 | エネルギー | 2200±200kcal | 1400~2000kcal |
水分 | 94.0 g | 91.0 g | 水分 | 1.5~2リットル | 1.5~2リットル | |
たんぱく質 | 0.7 g | 1.1 g | 人体組織の生成 | たんぱく質 | 65 g | 50 g |
脂質 | 0.1 g | 0.1 g | エネルギー源 | 脂質 | 40~60 g | 40~60 g |
食物繊維総量 | 1.0 g | 1.4 g | 腸内環境を改善 | 食物繊維総量 | 21 g以上 | 18 g 以上 |
炭水化物 | 4.7 g | 7.2 g | 組織にぶどう糖を供給 | 炭水化物 | 250 g~325 g | 250 g~325 g |
有機酸 | 0.4 g | 0.6 g | 悪玉菌の発生を抑制 | 有機酸 (クエン酸 693mg,コハク酸103mg, 酒石酸 31:2mg,ファール酸 45.8mg、リンゴ酸176mg) | ||
ナトリウム | 3 mg | 4 mg | 血圧を調節 | ナトリウム | 7.5 g未満 | 6.5 g 未満 |
カリウム | 210 mg | 290 mg | 血圧を安定させる | カリウム | 2,500 mg | 2,000 mg |
カルシウム | 7 mg | 12 mg | 骨格を構成する | カルシウム | 800~700 mg | 650~600 mg |
マグネシウム | 9 mg | 13 mg | エネルギー代謝に関わる | マグネシウム | 340~320 mg | 270~260 mg |
リン | 26 mg | 29 mg | 骨や歯を構成 | リン | 1000 mg | 800 mg |
鉄 | 0.2 mg | 0.4 mg | 全身に酸素を運ぶ役割 | 鉄 | 7.5 mg | 10.5 mg~16.0 mg(妊婦) |
亜鉛 | 0.1 mg | 0.2 mg | 身体の成長と維持に必要 | 亜鉛 | 11 ~10 mg | 8 mg |
銅 | 0.04 mg | 0.06 mg | 貧血を予防 | 銅 | 0.9~10 mg | 0.7 mg |
マンガン | 0.08 mg | 0.10 mg | 骨・肝臓の酵素作用を活性化 | マンガン | 4.0 mg | 3.5 mg |
β−カロテン当量 | 540 μg | 960 μg | 皮膚や粘膜の健康を維持 | β−カロテン | 400~900 μg | 350~700μg |
ビタミンE | 0.9 mg | 0.9 mg | 脂質の酸化を防止し老化防止する | ビタミンE | 6.0~6.5 mg | 5.0~6.5 mg |
ビタミンK | 4 μg | 7 μg | 血液凝固の補助 | ビタミンK | 150 ㎍ | 150 ㎍ |
ビタミンB1 | 0.05 mg | 0.07 mg | 糖質を燃やしてエネルギーに変換 | ビタミンB1 | 1.4~1.2 mg | 1.1~0.9 mg |
ビタミンB2 | 0.02 mg | 0.05 mg | 発育促進剤 | ビタミンB2 | 1.6~1.3 mg | 1.2~1.0 mg |
葉酸 | 22 μg | 35 μg | 細胞の生産や再生を助ける | 葉酸 | 240㎍ | 240㎍ 妊婦240㎍追加 |
ナイアシン当量 | 0.8 mg | 0.9 mg | DNAの修復や合成に関わる | ナイアシン | 15~13 mg | 11~10 mg |
ビタミンB6 | 0.08 mg | 0.11 mg | タンパク質の分解を助ける | ビタミンB6 | 1.4 mg | 1.1 mg |
ビタミンB12 | 0 μg | 0 μg | DNAの生成を助ける | ビタミンB12 | 2.4㎍ | 2.4㎍ |
パントテン酸 | 0.17 mg | 0.17 mg | 薬物の解毒作用、等 | パントテン酸 | 5~6 mg | 5 mg |
ビオチン | 2.3 μg | 3.6 μg | 抗炎症物質を生成 | ビオチン | 幼児4 ~50 μg | 成人 50 μg妊婦付加量2 μg授乳婦付加量5 μg |
ビタミンC | 15 mg | 32 mg | 老化、ガンの予防 | ビタミンC | 100 mg | 100 mg |
食塩相当量 | 0 g | 0 g | 食塩相当量 | 7.5 g未満 | 6.5 g未満 |
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
野菜類/(トマト類)/赤色トマト/果実/生 野菜類/(トマト類)/赤色ミニトマト/果実/生
*愛犬にトマトを与える適量(目安)
トマトは有益な栄養素を多く含んでいるので、
ドッグフードに健康改善トッピングするか、
おやつとして少量与えるのがいいと思います。
与える際は茹でてペットフードの粒に近いサイズにカットするか、
ペースト状にしてトッピングすれば安全で食べやすく愛犬も喜ぶと思います。
愛犬には個体差があり、年齢・活動量・代謝・住環境などにより、
適切な給与量は大きく異なります。
愛犬の体重 | 一日に与える給与量 | トッピングするトマト量約10% |
1~5 kg | 25~80 g | 3~8 g |
5~10 kg | 80~140 g | 8~14 g |
10~15 kg | 140~190 g | 14~19 g |
15~20 kg | 190~235 g | 19~24 g |
20~25 kg | 235~275 g | 24~28 g |
25~30 kg | 275~315 g | 28~32 g |
30~35 kg | 315~360 g | 32~36 g |
このトッピングする量は一日の給与量の10%として計算した量です。
適量の判断は愛犬の飼い主さんが一番わかると思います。
上記のデータは参考程度にしてください。
*愛犬にトマトのお勧めな与え方
トマトの栄養価を損なわずに吸収させるのには、ひと手間かかりますが
皮を除くほうがいいと思います。
ヘタの部分を取り除いてから、切れ目を入れお湯に10秒位茹で、
直ぐに冷水で冷やせば気持ちよく皮が剥がれます。
生のまま刻んで与えてもいいのですが、
加熱すればリコピンの吸収率が高まるといわれているので、
湯むきがおすすめです。茹で過ぎには注意してください。栄養価が溶け出て下がります。
また、栄養価の多いミニトマトは、そのまま与えると丸呑みして喉につかえる心配があります。
大きなトマト同様、湯むきの後小さくカットしてから与えてください。
総合栄養食(カナガンドッグフードチキン)に健康改善トッピングして与える場合は
一日の最適なカロリー量の一割程度を目安にトッピングしてください。
与えすぎは肥満や体調を崩す原因になります。
*トマトを与える時の注意点
トマトにはトマチンと言う毒性物質が含まれていて、
特にへたや葉、茎、花に非常に多く含まれています。また、熟す前の青いトマトにも
トマチンが比較的多く含まれており、愛犬が食べれば健康を害します。
このトマチンはトマトが完熟するとほとんど含まれなくなるため、
完熟トマトであれば愛犬に安心して与えられます。
トマトに限らず、私たちが日頃、普通に食べている食材も、
毒性が全く無いとは言い切れないようです。
そのため、好きだから、栄養価が多いからと特定の食材を多く与えると
そのマイナスの面も明確に表れてきます。
くれぐれも、食べ過ぎ、与えすぎにならないように気を付けたいですね。
人間でも人により、いろんな食材対してアレルギー反応が出たり出なかったりします。
愛犬も同じです。
食べた時の体調にもよりますがアレルギーは、先天的な体質による先天性アレルギーと、
長年の食生活により発症する可能性がある後天性アレルギーがあります。
トマトを初めて与える際は、少量からスタートしましょう。
以下の症状が見られた場合は、アレルギーの可能性も考えられます。

愛犬がトマトのへた・葉・茎・花を食べたかも!?
トマトを食べた際に上記のような症状が現れた場合は、獣医師に相談しましょう。
*全国の夜間専門動物病院一覧
かかりつけの動物病院がしまっている夜間に突発的なアクシデントが発生すると、
うろたえてしまいます。そんな時は夜間専門で対応する動物病院が頼りになります。
夜間診療のため、必ず事前に電話連絡してください。
いつごろ、どのくらいの量を食べたか、症状が出ていたらどうしたらいいかなど、
できるだけ詳しくメモをして動物病院へ連れていくか、電話で問い合わせてください。
*まとめ
主食のドッグフードは栄養バランスを考えて成分が配合されています。
なので、あなたの愛犬の健康を少しでも改善する為に
症状に合わせた食材をトッピングするという目的にお使いください。
・愛犬が食べることができる人間の食品
・愛犬が食べてはいけない食品
・与えてもいい果物
・与えてはいけない果物
・与えてもいい野菜
・与えてはいけない野菜
カナガンドッグフードチキンに 健康改善トッピングを!
上記の記事にそれぞれの食材の効能効果、詳細をまとめています。参考にしてください。
愛犬と長く楽しく暮らすためにも、愛犬の健康管理は重要ですね。
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