その豚肉、愛犬に与えて大丈夫?
愛犬に豚肉を与えても大丈夫です
お手頃な豚肉は、私達の食卓に上がる事も多いと思います。
豚肉はミネラル類(カリウム、鉄、亜鉛、リン等)や
ビタミン類(ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、
パントテン酸、ナイアシン等)を多く含み、
学習能力向上効果、血圧の安定、皮膚の健康維持、骨や歯を強化、薬物の解毒作用、皮膚粘膜の保全、感染症防止、細胞の機能を維持する効果(皮膚の状態が良くする、被毛の質が向上する)といった効果も期待できます。
*日本食品標準成分表2020年版(八訂)を基準値として、
その食材の値が10%以上になる成分が
ペットに有効に作用すると思われ、取り上げて表記しています。
豚肉にはさまざまな栄養素が豊富に含まれています。
タンパク質は炭水化物・脂質とあわせて三大栄養素と呼ばれています。
人間の筋肉や臓器、体内の調整に役立っているホルモンの材料となるだけでなく
エネルギー源にもなっている必要な栄養素です。 主にアミノ酸によって構成されています。
カリウムは、ナトリウムとともに、血圧を安定させるほか、
心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などの重要な働きをしています。
また、カリウムはナトリウムと連携し細胞を正常に導き、
尿中への排泄を促進するため、血圧を下げる効果があります。
カリウムが不足すると、歩行困難、食欲不振、元気消失などの症状につながります。
また、カリウムの量が過剰となってしまうと、高カリウム血症を引き起こします。
高カリウム血症は、四肢のしびれや筋力低下、嘔吐、脈拍の異常(不整脈・頻脈)が表れ、
最悪の場合は死に至るほど重篤化する危険性があります。
カリウムは、水に溶ける性質があるので、水にさらしたりすれば、
調理前 の1/3〜2/3に減らすことができます。
リンの主な働きは、骨や歯を丈夫にしたり、細胞やDNAを構成したりすることです。
そのほか、代謝のサポートや体内の浸透圧の維持などの役割も担っています。
リンが欠乏すると、骨・歯やDNAの発達に支障が出やすくなります。
反対に体内のリンが過剰になると、カルシウムの吸収を妨げるなどの悪影響が出ます。
ナイアシン(ビタミンB3)は 糖質や脂質を燃やしてエネルギーを作り出すときや、
二日酔いの原因となるアルコールを分解するときに働く
「酵素」を助ける「補酵素」としての役割を担っています。
皮膚や粘膜の健康維持を助けるほか、脳神経を正常に働かせる効果があります。
鉄の主な働きは全身に酸素を運搬すること。 鉄不足により脳へ酸素がいきわたらないと
思考力、学習能力、記憶力の低下につながります。
鉄の適量摂取は運動能力や学習能力の向上が期待できます。
亜鉛が十分にあると風邪や感染症にかかりにくくなります。
粘膜を保護するビタミンAを体の中にとどめる効果があり、
のどの痛みや鼻水・鼻づまりなどの症状を緩和してくれます。
病気を引き起こす細菌を攻撃する白血球にも亜鉛が含まれているので、
傷や病気の早期回復にも亜鉛は必要とされています。
ビタミンB1は愛犬の皮膚や粘膜の健康に保ち、
糖質を代謝してエネルギーに変える働きがあるので、
疲労回復や筋肉の機能を正常に保つのに役立つと考えられます。
ビタミンB1が不足すると、皮膚にトラブルが起こったり、
毛艶が悪くなったりすることがあります。また、
歩行障害や筋力の低下を起こす可能性もあります。
ビタミンB2は水溶性のビタミンで、糖質、脂質、タンパク質の代謝、
エネルギー産生に関わる酸化還元酵素の補酵素として働きます。
ビタミンB 1が糖質の代謝に関わるのに対して、
ビタミンB 2は特に脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生に役立ちます。
「発育のビタミン」ともいわれ発育促進に欠かせない栄養素です。
ビタミンB6は、免疫機能の正常な働きの維持、皮膚の抵抗力の増進にも必要で、
赤血球のヘモグロビンの合成にも欠かせない栄養素です。
また、肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぎ、肝脂肪の予防にも効果を発揮します。
パントテン酸(ビタミンB5)は水溶性ビタミンで、ビタミンB群の1種です。
エネルギー代謝に欠かせない栄養素であり、免疫抗体の合成、
薬物の解毒作用、脂質の代謝を促すHDLコレステロールの増加、
副腎皮質ホルモンの合成による抗ストレス作用とさまざまな働きがあります。
など、愛犬の健康維持に欠かせない成分を豚肉は含んでいます。
*豚ヒレ肉の主な成分、効能効果&日本食事摂取基準摂取の推奨量 /日
μg(マイクログラム)はmg(ミリグラム)の1000分の一 なのでμgの成分は省略しています。 |
豚ヒレ肉の主な成分、効能効果(100gあたり) | 摂取の推奨量/日 | ||||
成分名 | 値 | 効能効果 | 成分名 | 成人男性~高齢 | 成人女性~高齢 |
エネルギー | 105 kcal | 熱量 | エネルギー | 2200±200kcal | 1400~2000kcal |
水分 | 74.2 g | 水分 | 1.5~2リットル | 1.5~2リットル | |
たんぱく質 | 22.7 g | 人体組織の生成 | たんぱく質 | 65 g | 50 g |
脂質 | 1.7 g | エネルギー源 | 脂質 | 40~60 g | 40~60 g |
食物繊維総量 | 0 g | 腸内環境を改善 | 食物繊維総量 | 21 g以上 | 18 g 以上 |
炭水化物 | 0.1 g | 組織にぶどう糖を供給 | 炭水化物 | 250 g~325 g | 250 g~325 g |
有機酸 | – g | 悪玉菌の発生を抑制 | 有機酸 (クエン酸 693mg,コハク酸103mg, 酒石酸 31:2mg,ファール酸 45.8mg、リンゴ酸176mg) | ||
ナトリウム | 48 mg | 血圧を調節 | ナトリウム | 7.5 g未満 | 6.5 g 未満 |
カリウム | 400 mg | 血圧を安定させる | カリウム | 2,500 mg | 2,000 mg |
カルシウム | 4 mg | 骨格を構成する | カルシウム | 800~700 mg | 650~600 mg |
マグネシウム | 28 mg | エネルギー代謝に関わる | マグネシウム | 340~320 mg | 270~260 mg |
リン | 220 mg | 骨や歯を構成 | リン | 1000 mg | 800 mg |
鉄 | 1.2 mg | 全身に酸素を運ぶ役割 | 鉄 | 7.5 mg | 10.5 mg~16.0 mg(妊婦) |
亜鉛 | 2.3 mg | 身体の成長と維持に必要 | 亜鉛 | 11 ~10 mg | 8 mg |
銅 | 0.09 mg | 貧血を予防 | 銅 | 0.9~10 mg | 0.7 mg |
マンガン | 0.02 mg | 骨・肝臓の酵素作用を活性化 | マンガン | 4.0 mg | 3.5 mg |
β−カロテン当量 | Tr μg | 皮膚や粘膜の健康を維持 | β−カロテン | 400~900 μg | 350~700μg |
ビタミンE | 0.3 mg | 脂質の酸化を防止し老化防止する | ビタミンE | 6.0~6.5 mg | 5.0~6.5 mg |
ビタミンK | 0 μg | 血液凝固の補助 | ビタミンK | 150 ㎍ | 150 ㎍ |
ビタミンB1 | 1.22 mg | 糖質を燃やしてエネルギーに変換 | ビタミンB1 | 1.4~1.2 mg | 1.1~0.9 mg |
ビタミンB2 | 0.25 mg | 発育促進剤 | ビタミンB2 | 1.6~1.3 mg | 1.2~1.0 mg |
葉酸 | 1 μg | 細胞の生産や再生を助ける | 葉酸 | 240㎍ | 240㎍ 妊婦240㎍追加 |
ナイアシン当量 | 10.0 mg | DNAの修復や合成に関わる | ナイアシン | 15~13 mg | 11~10 mg |
ビタミンB6 | 0.48 mg | タンパク質の分解を助ける | ビタミンB6 | 1.4 mg | 1.1 mg |
ビタミンB12 | 0.2 μg | DNAの生成を助ける | ビタミンB12 | 2.4㎍ | 2.4㎍ |
パントテン酸 | 0.90 mg | 薬物の解毒作用、等 | パントテン酸 | 5~6 mg | 5 mg |
ビオチン | – μg | 抗炎症物質を生成 | ビオチン | 幼児4 ~50 μg | 成人 50 μg妊婦付加量2 μg授乳婦付加量5 μg |
ビタミンC | 1 mg | 老化、ガンの予防 | ビタミンC | 100 mg | 100 mg |
食塩相当量 | 0.1 g | 食塩相当量 | 7.5 g未満 | 6.5 g未満 |
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
肉類/<畜肉類>/ぶた/[中型種肉]/ヒレ/赤肉/生 調べ
上記のような愛犬の健康にメリットがある栄養素を含んでいます。
*愛犬に豚肉を与える時のおすすめの部位
豚肉部位 | カロリー | 脂質量 | 部位特徴 |
豚バラ肉 | 398kal | 40.1g | 脂質が多く、消化器官に負担の可能性が高い |
豚ロース肉 | 275kcal | 22.6g | やわら肉質で、脂質が多くカロリーも高い部位 |
豚モモ肉 | 211kcal | 15.1g | ヒレに次いで脂質が少ない部位 |
豚ヒレ肉 | 112kcal | 1.7 g | 脂質が少なく低カロリーで、おすすめの部位 |
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)100gあたり
豚肉は愛犬にとって良質なタンパク源になります。
特に、活発な犬や成長期で筋肉を発達させたい犬にとって、
脂質の少ない良質なタンパク質は、より良い筋肉質の体作りに有効であることが多いです。
豚肉のバラ肉、ロース肉、モモ肉、ヒレ肉を比較すると
カロリー、脂質量が一番少ない豚ヒレ肉が愛犬にとっては適しています。
*愛犬に豚肉を与える適量(目安)
ペットフードにトッピングするのも愛犬は喜ぶと思います。
しかし、与えすぎには注意です。
犬には個体差があり、年齢・活動量・代謝・住環境などにより、
適切な給与量は大きく異なります。
愛犬の体重 | 一日に与える給与量 | トッピングする豚ヒレ肉量約10% |
1~5 kg | 25~80 g | 3~8 g |
5~10 kg | 80~140 g | 8~14 g |
10~15 kg | 140~190 g | 14~19 g |
15~20 kg | 190~235 g | 19~24 g |
20~25 kg | 235~275 g | 24~28 g |
25~30 kg | 275~315 g | 28~32 g |
30~35 kg | 315~360 g | 32~36 g |
このトッピングする量は一日の給与量の10%として計算した量です。
適量の判断は愛犬の飼い主さんが一番わかると思います。
上記のデータは参考程度にしてください。
*愛犬に豚肉を与える時のおすすめの調理法
愛犬に与える場合は、「茹でる」「焼く」調理方法がおすすめです。
肉が硬くならず、脂質も落とせて、愛犬の消化吸収器官に優しい食材に仕上げることができます。
与える時は、ペットフード(カナガンドッグフードチキン)にトッピングすれば
愛犬の食も進み健康改善にもつながりますね。
与えすぎに注意してください。(一日の給与量の10%)
*愛犬に豚ヒレ肉を与える時の注意点
犬は肉食動物ですが、犬によって消化吸収能力の差や、
アレルギーの有無など体質に差があるので、
全ての愛犬に与えても大丈夫とも言えません。
愛犬に与える際に加熱処理が必要なことや、豚肉にアレルギーを持つ愛犬もいますので、
与える時には注意が必要です。
子犬やシニア犬は消化能力が低いため、
豚肉を与えると下痢や嘔吐などの消化器症状を示す可能性が高いです。
生の状態の豚肉は脂肪分が多く消化しにくいので、
消化吸収能力が低い犬は消化不良を起こす場合もあります。
また、販売されている豚肉は生食用ではないので、
そのまま加熱していない状態で与えると、細菌や寄生虫に感染する恐れもあります。
*アレルギー反応に要注意
愛犬が食物アレルギーを引き起こす原因は、食材に含まれるタンパク質です。
豚肉にはタンパク質が22.7g(100gあたり)も含まれています。
人間でも人により、いろんな食材に対してアレルギー反応が出たり出なかったりします。
愛犬も同じです。
食べた時の体調にもよりますがアレルギーは、先天的な体質による先天性アレルギーと、
長年の食生活により発症する可能性がある後天性アレルギーがあります。
豚肉を初めて与える際は、少量からスタートしましょう。
以下の症状が見られた場合は、アレルギーの可能性があります。

アレルギー反応
豚肉を食べた際に上記のような症状が現れた場合は、獣医師に相談しましょう。
*全国の夜間専門動物病院一覧
かかりつけの動物病院がしまっている夜間に突発的なアクシデントが発生すると、
うろたえてしまいます。そんな時は夜間専門で対応する動物病院が頼りになります。
夜間診療のため、必ず事前に電話連絡してください。
いつごろ、どのくらいの量を食べたか、症状が出ていたらどうしたらいいかなど、
できるだけ詳しくメモをして動物病院へ連れていくか、電話で問い合わせてください。
*まとめ
豚肉は栄養豊富で愛犬の健康改善に役立つ食材です。
生では、細菌や寄生虫が存在する可能性も高いため、
必ず加熱してから与えてくださいね。
脂質は消化器官に大きな負担を与えるので、とりわけ脂質の一番少ない豚ヒレ肉がおすすめ。
主食のドッグフードは栄養バランスを考えて成分が配合されています。
なので、あなたの愛犬の健康を少しでも改善する為に
症状に合わせた食材をトッピングするという目的にお使いください。
・愛犬が食べることができる人間の食品
・愛犬が食べてはいけない食品
・与えてもいい果物
・与えてはいけない果物
・与えてもいい野菜
・与えてはいけない野菜
カナガンドッグフードチキンに 健康改善トッピングを!
上記の記事にそれぞれの食材の効能効果、詳細をまとめています。参考にしてください。
愛犬と長く楽しく暮らすためにも、愛犬の健康管理は重要ですね。
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