そのパン、愛犬に与えて大丈夫?
販売されている人間用のパンは、愛犬には与えない方が賢明です
愛犬にパンを与えたい場合は、犬用に作られているものか、塩分や防腐剤等、
添加物を入れずにあなたの愛犬に合わせたトッピングで手作りしたパンがいいと思います。
少量の人間用のパン (香辛料やレーズンが入っていないパン) は愛犬に害はありませんが、
健康上のメリットもありません。

そのパン、愛犬に与えても大丈夫?
*販売されている人間用のパンが犬にとって駄目な要因
私達が食べる市販のパンは小麦粉やライ麦粉に、酵母や塩、水を加えて発酵させ、
焼いたものです。他に砂糖や卵、牛乳、バターやマーガリンなどの油脂、
添加物などが含まれていて、中には愛犬に有害な素材を含むものもあります。
愛犬に与えても大丈夫なパンは、バター・生クリームなどの油分や塩分、糖分や
小麦(強力粉・中力粉・薄力粉)の含有量がいずれも控えめなものに限ります。
犬用のパンでも原材料に小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉)が
使われていないパンを選ぶのが賢明です。
又は、あなたの愛犬の健康改善に必要と思われる原材料で、
あなたの愛犬専用の体質改善に効果がある果物・野菜をトッピングして
パンを手作りしてあげるのも楽しいかもしれません。
*パンの主な成分、効能効果&日本食事摂取基準摂取の推奨量 /日
*日本食品標準成分表2020年版(八訂)を基準値として、
その食材の値が10%以上になる成分が
ペットに有効に作用すると思われ、取り上げて表記しています。
タンパク質は炭水化物・脂質とあわせて三大栄養素と呼ばれています。
人間の筋肉や臓器、体内の調整に役立っているホルモンの材料となるだけでなく
エネルギー源にもなっている必要な栄養素です。 主にアミノ酸によって構成されています。
食物繊維は小腸をスルーして大腸まで達する食品成分で、
腸内の善玉菌を増やし快便にする腸内環境の改善(便秘の予防)だけでなく、
血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度を抑制するなど、
多くの生理機能が明らかになっています。
炭水化物中の糖質は愛犬の必要なエネルギー源となる大切なものです。
すぐに体内でエネルギーに変換されるものや、ゆっくり変換されるものもあるので、
継続的に愛犬にエネルギーを補給することができます。
つまり、元気な状態を長時間キープするのに役立ちます。
葉酸はビタミンB群の水溶性のビタミンで、
ビタミンB 12とともに赤血球を作るので「造血のビタミン」ともいわれています。
さらに、DNAやRNAなどの核酸やタンパク質の合成を促進し、細胞の生産や再生を助けます。
特に、お腹に胎児のいる妊娠中の母犬や、成長期の愛犬には必要な栄養素です。
ナイアシン(ビタミンB3)は 糖質や脂質を燃やしてエネルギーを作り出すときや、
二日酔いの原因となるアルコールを分解するときに働く
「酵素」を助ける「補酵素」としての役割を担っています。
皮膚や粘膜の健康維持を助けるほか、脳神経を正常に働かせる効果があります。
μg(マイクログラム)はmg(ミリグラム)の1000分の一 なのでμgの成分は省略しています。 |
パンの主な成分、効能効果(100gあたり) | 摂取の推奨量/日 | ||||
成分名 | 値(小麦) | 効能効果 | 成分名 | 成人男性~高齢 | 成人女性~高齢 |
エネルギー | 248 kcal | 熱量 | エネルギー | 2200±200kcal | 1400~2000kcal |
水分 | 39.2 g | 水分 | 1.5~2リットル | 1.5~2リットル | |
たんぱく質 | 8.9 g | 人体組織の生成 | たんぱく質 | 65 g | 50 g |
脂質 | 4.1 g | エネルギー源 | 脂質 | 40~60 g | 40~60 g |
食物繊維総量 | 4.2 g | 腸内環境を改善 | 食物繊維総量 | 21 g以上 | 18 g 以上 |
炭水化物 | 46.4 g | 組織にぶどう糖を供給 | 炭水化物 | 250 g~325 g | 250 g~325 g |
有機酸 | – g | 悪玉菌の発生を抑制 | 有機酸 (クエン酸 693mg,コハク酸103mg, 酒石酸 31:2mg,ファール酸 45.8mg、リンゴ酸176mg) | ||
ナトリウム | 470 mg | 血圧を調節 | ナトリウム | 7.5 g未満 | 6.5 g 未満 |
カリウム | 86 mg | 血圧を安定させる | カリウム | 2,500 mg | 2,000 mg |
カルシウム | 22 mg | 骨格を構成する | カルシウム | 800~700 mg | 650~600 mg |
マグネシウム | 18 mg | エネルギー代謝に関わる | マグネシウム | 340~320 mg | 270~260 mg |
リン | 67 mg | 骨や歯を構成 | リン | 1000 mg | 800 mg |
鉄 | 0.5 mg | 全身に酸素を運ぶ役割 | 鉄 | 7.5 mg | 10.5 mg~16.0 mg(妊婦) |
亜鉛 | 0.5 mg | 身体の成長と維持に必要 | 亜鉛 | 11 ~10 mg | 8 mg |
銅 | 0.09 mg | 貧血を予防 | 銅 | 0.9~10 mg | 0.7 mg |
マンガン | 0.25 mg | 骨・肝臓の酵素作用を活性化 | マンガン | 4.0 mg | 3.5 mg |
β−カロテン当量 | 4 μg | 皮膚や粘膜の健康を維持 | β−カロテン | 400~900 μg | 350~700μg |
ビタミンE | 0.4 mg | 脂質の酸化を防止し老化防止する | ビタミンE | 6.0~6.5 mg | 5.0~6.5 mg |
ビタミンK | 0 μg | 血液凝固の補助 | ビタミンK | 150 ㎍ | 150 ㎍ |
ビタミンB1 | 0.07 mg | 糖質を燃やしてエネルギーに変換 | ビタミンB1 | 1.4~1.2 mg | 1.1~0.9 mg |
ビタミンB2 | 0.05 mg | 発育促進剤 | ビタミンB2 | 1.6~1.3 mg | 1.2~1.0 mg |
葉酸 | 30 μg | 細胞の生産や再生を助ける | 葉酸 | 240㎍ | 240㎍ 妊婦240㎍追加 |
ナイアシン当量 | 2.6 mg | DNAの修復や合成に関わる | ナイアシン | 15~13 mg | 11~10 mg |
ビタミンB6 | 0.03 mg | タンパク質の分解を助ける | ビタミンB6 | 1.4 mg | 1.1 mg |
ビタミンB12 | Tr μg | DNAの生成を助ける | ビタミンB12 | 2.4㎍ | 2.4㎍ |
パントテン酸 | 0.42 mg | 薬物の解毒作用、等 | パントテン酸 | 5~6 mg | 5 mg |
ビオチン | 2.3 μg | 抗炎症物質を生成 | ビオチン | 幼児4 ~50 μg | 成人 50 μg妊婦付加量2 μg授乳婦付加量5 μg |
ビタミンC | 0 mg | 老化、ガンの予防 | ビタミンC | 100 mg | 100 mg |
食塩相当量 | 1.2 g | 食塩相当量 | 7.5 g未満 | 6.5 g未満 |
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)穀類/こむぎ/[パン類]/角形食パン/食パン
*中毒症状を引き起こす可能性がある成分
もし私達が食べているときに愛犬が欲しがった場合には、
おやつ程度に1〜2口にとどめて、
次に挙げるような点に注意しましょう。
中毒症状を引き起こす可能性がある成分が含まれる種類のパンは、
玉ねぎのようなネギ類が入ったパン、レーズンが入ったパン、チョコレートが入ったパン、菓子パン、
惣菜パンやデニッシュパンなど。
又、小麦のほかに牛乳やバター、防腐剤、香辛料など、
愛犬には避けた方がいい素材が含まれているパンがほとんどです。
愛犬に市販のパンを与えることはやめた方が賢明です。
特にアレルギー体質の愛犬には与えない方がいいでしょう。
パンの材料に使用されているミルクやバターなどの乳製品や、
小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉)などの穀類に、
アレルギー反応を起こす可能性があるので、要注意です。
*アレルギー反応に要注意
パンの材料に使用されているミルクやバターなどの乳製品や、
小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉)などの穀類に、
アレルギー反応を起こす可能性があるので、要注意です。
人間でも人により、いろんな食材に対してアレルギー反応が出たり出なかったりします。
愛犬も同じです。
食べた時の体調にもよりますがアレルギーは、先天的な体質による先天性アレルギーと、
長年の食生活により発症する可能性がある後天性アレルギーがあります。
パンを初めて与える際は、少量からスタートしましょう。
以下の症状が見られた場合は、アレルギーの可能性があります。

パンにアレルギー反応
パンを与えた際に上記のような症状が現れた場合は、獣医師に相談しましょう。
*全国の夜間専門動物病院一覧
かかりつけの動物病院がしまっている夜間に突発的なアクシデントが発生すると、
うろたえてしまいます。そんな時は夜間専門で対応する動物病院が頼りになります。
夜間診療のため、必ず事前に電話連絡してください。
いつごろ、どのくらいの量を食べたか、症状が出ていたらどうしたらいいかなど、
できるだけ詳しくメモをして動物病院へ連れていくか、電話で問い合わせてください。
*手作りパン参考資料
どうしてもパン類を与えたいのであれば、
小麦ではなく、米粉で作るパン類がいいと思います。
cookpadさんに手作り犬用パンが紹介されています。
その中でも小麦(強力粉、中力粉、薄力粉)を使っていないレシピがお勧めです。
参考にしてください。
*まとめ
愛犬にパンをあげるなら犬用の米粉で作ってあるパン類にしましょう!
市販のパンには犬に与えるのはよくない食材が入っている可能性が高く、
人間の主となる食べ物でもあるパンですが、
犬にとっては好ましくない食品ですので、与えないようにした方が賢明です。
主食のドッグフードは栄養バランスを考えて成分が配合されています。
なので、あなたの愛犬の健康を少しでも改善する為に
症状に合わせた食材をトッピングするという目的にお使いください。
・愛犬が食べることができる人間の食品
・愛犬が食べてはいけない食品
・与えてもいい果物
・与えてはいけない果物
・与えてもいい野菜
・与えてはいけない野菜
カナガンドッグフードチキンに 健康改善トッピングを!
上記の記事にそれぞれの食材の効能効果、詳細をまとめています。参考にしてください。
愛犬と長く楽しく暮らすためにも、愛犬の健康管理は重要ですね。
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